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散歩が人類をつくった

この「つぶやき」の執筆は、月にたった1回なのだが、理系人間(といっても、英語と国語が苦手だったための消極的選択でのことだが)の私にとって、苦行のようなもの。何を書いたらよいのかアイディアが浮かばないのだ。そんなときには、酒の力を借りてと思うのだが、大抵は眠気が訪れるだけで効果はない。

ある労務関係の専門誌を読んでいたら、ジャーナリストの吉田典史氏のコラムに興味深いことが書かれていた。月一の私とは違い、氏は恐らく1カ月で何十本もの記事を書くのだろう。頭から文章が出てこなくなり悶々としたときの特効薬が散歩で、氏は10年近くの間、毎日欠かさず2時間歩き続けているのだそうだ。1時間も歩くと全身の血の流れがよくなり、頭の血管にも大量の血が流れ込み、意識が前向きになり、そして1万字くらいの文章構成が次々と浮かんで、言葉が勝手に並び始めるという。調子が良い日は2~3万字が出てくるので散歩にはICレコーダーが離せないそうだ。

また、医学博士の佐藤富雄氏は、歩くことが夢や欲望をつくりだすと言っている。散歩の効用にいて次のように氏は詳しく語っている。

これは人類の歴史を辿れば分かることです。クロマニヨンのほんの一部がホモサピエンスとして残るのですが、このホモサピエンスは20万~25万年前、野山を駆け巡っていたら突然気持ちがよくなるホルモンが分泌された。いまでいうβエンドルフィンであり、ランナーズ・ハイという状態です。それで第四氷河期をホモサピエンスだけが生き残ることができたのです。その後も農業や工業を発展させたり、近代文明を成し遂げられたのは、足を動かして脳を活性化していたからにほかならない。だから私は皆さんに「毎朝歩きましょう」と言っているんです。
(中略)大体1分間に120歩。そういう一定リズムで歩いていると、15分たったあたりから脳内にβエンドルフィンが分泌されて、「いやだな、眠いな」と思って歩いていてもだんだんと気持ちよくなってきます。25分から30分頃には、ドーパミンが出てきます。これは夢のホルモンといわれ、これが分泌されるといろいろなアイディアが湧いてきます。で、40分くらい歩くと、セロトニンが出てきて、これはどんどん湧いてきたアイディアを実現可能な形に整えていく役目があるのです。こうなるとすばらしい一日のスタートが切れます。

平成26年12月1日の夜、北海道の北西に発達中の低気圧が迫り、上空に寒波が流れ込み強い冬型の気圧配置となった。真夜中には西から吹き付ける季節風が強まり、ヒューヒューと音を鳴らした。さらに朝方には大粒の雨がバチバチと叩きつけるように降った。その音で何度も目が覚め、時計の針が5時を過ぎたのを確認してベッドを出た。

着替えもそこそこにハリー君(シェトランドシープドッグ11歳オス)を連れて、暴風雨の中、いつものように散歩に出かけた。まるで上空にジェットエンジンが搭載されているかのように、轟音とともに西風が枯葉を巻き込んで吹き付けてきた。途中の田んぼ道では向かい風となり、みぞれ混じりの氷雨が顔に当たり、冷たさと痛さで後ろ向きでの歩行を余儀なくされた。それでも私は、全身ずぶ濡れで歩き続けた。βエンドルフィンやドーパミンが分泌されるまでやめるわけにいかないのだ。

歯を喰いしばり歩いていると、ふと、中学生の時に親父に連れられて近所の小さな映画館で観た「八甲田山」(1977年)を思い出し、あれに比べたら今日の散歩はハイキングだと思えてきた。残念ながらその映画では、凍傷にかかり意識が遠のく同僚の頬を叩きながら「寝るんじゃない。寝たら死ぬぞー!」と叫ぶシーンしか覚えていない。当時の私にはまったく興味のない映画だったため、睡魔に勝てず、私はうとうとと寝てしまったのだ。ときどき目を開けると、吹雪の中「寝るんじゃない。寝たら死ぬぞー!」のシーンなのだ。

中学生の私にとってつまらない映画がやっと終わり、家に帰って祖母にそのことを話すと、彼女は語った。

「映画はそういうものだ。若い時に観に行ったアメリカ映画『駅馬車』(1939年)がそうだった。映画の途中で眠くなり意識が遠のき目を覚ますと、荒野を馬車が走っていた。次に目を覚ますと、また同じように荒野を馬車が走っていた。最後までそれが続いた。まったく面白くなかった」

ジョン・ウェインが聞いたらさぞかし機嫌が悪くなることだろう。

大学生の時、ねぶた祭りを満喫した次の日に、青森の友人に八甲田山に連れて行ってもらい、雪中行軍遭難記念像の前で佇んだ。それ以来興味を持ち、新田次郎の「八甲田山死の彷徨」を読んだ。これから本格的な冬がやってくる。雪が深々と降る夜には、映画「八甲田山」を、今度こそ眠らず観てみたい。そして先月亡くなった高倉健を偲び、酒を傾けたい。(小島 正晴)
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