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地図と時刻表

 先月、金田一秀穂氏の講演を聴く機会があった。父は金田一春彦、祖父は金田一京助という立派な家系である。中学高校に進むと、必ず、クラス担任には、国語を専門としている先生がついたという。金田一という苗字があまりにも目立つため、学校が勝手に配慮をするのだ。氏の兄弟、従兄弟も皆そうだというから学校も徹底している。

 金田一先生の話を聴いていて驚いた。氏は小学生の頃、感想文が苦手で大嫌いだったという。「金田一」=「日本語の専門家」=「国語が得意」=「感想文をすらすら書くことができる」と私は想っていたので、頭の中に?マークがいくつも浮かんだ。

 感想文が苦手な理由を聞いて、思わずうなずいた。本を読むことは大好きだったのだが、好きな本のジャンルに問題があったという。子ども時代に好んで読んだ本は、地図、図鑑、時刻表だったそうだ。結果、本を読んでも感想文を書くのに難儀をしたということだ。それ以来、感想文が嫌いになったという。

 私も感想文が嫌いだ。小学校6年生の夏休みに、感想文の宿題が出された。担任は佐渡出身の30歳代の元気のいい女の先生だった。本を読むのが嫌いな私は、本文を読まずに感想文を書いた。目次を読み、本の内容を推測し、あっという間に感想文が出来上がった。担任の先生は見抜いていたのか、いなかったのかわからないが、三重丸をつけた。感想文はこんなものでいいのかと、それからますます感想文が嫌いになった。

 本が嫌いであった私も、地図と時刻表は大好きだった。実際にその地に足を運ぶのもいいが、地図を眺めるのもまた格別だ。時刻表を見て列車に乗った気分になり、駅名を確認したり乗り継ぎのタイミングを調べたりするのもいい。

 どうやらこれは日本人の特権らしい。なぜなら、外国では列車が時刻表どおり来ることは稀。したがって時刻表はあまりあてにならない。特にロシアはひどいらしい。

 ある日本人がロシアを旅行し、立ち寄った街で列車の発車時刻を調べようと書店に時刻表を求めに行った。さほど広くもない本屋であったが、探せど探せど時刻表が見つからない。仕方がないので店員に場所を尋ねた。店員が答えた。「ロシアでは時刻表はフィクションの棚にあります」

 話はそれたが、地図や時刻表が大好きな人種は感想文が嫌いなのだと、やけに納得した。

 金田一秀穂氏は、講演の最後で、日本語の専門家らしいことも言っていた。言葉はとても大事で、同じ物(事)でも言い方によって、全く別物になる。我々は「刺身」という言葉を聞くと、ご馳走をイメージするが、同じ物体を「死んだ魚の生の肉」という言葉にすると食欲がなくなるという例え話をしていた。

 この講演会は佐渡両津の大きな会館で開催されたものだった。講演会終了後、真野に移動して、宿でたっぷりと大好きな「死んだ魚の生の肉」を食した。金田一先生が言うように、死んだ魚の生の肉と言うと、目の前の豪華な刺身が、ちょっと不気味に思えた。なので、アルコールを普段よりたっぷりと胃に流し込んだ。冷えた北雪大吟醸が五臓六腑を清めた。佐渡を満喫した夜だった。(小島 正晴)
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