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卒業

この春、小島家では卒業ラッシュを迎えた。三人の子供が一斉に学校を卒業した。それぞれ長男、長女、次男が大学、高校、中学を巣立った。卒業だけならさほど大変なことではないのだが、卒業すると一般的にはどこかに入らなければならない。これが大変なのだ。今回、三人とも自分がめざした場所には行くことがかなわず、第二、第三の選択肢を選ぶことになった。全力を出しての結果は潔く受け止め、前を向いて人生を歩んで行ってほしい。

私が中学三年生の秋のことだ。数学のS先生はユニークで、「トイレに行った後に手を洗ってはいけない」と真面目な顔で堂々と生徒を指導をしていた。「大切なものを触る前に手を洗うべきであり、その後に手を洗うのは理にかなっていない」と理屈をこねていた。

この先生もいいところがあった。「今日出した宿題、必ず、必ず、全員忘れずにやってくること。全員忘れることなく宿題をやってきたら、明日の授業はプロ野球日本シリーズのテレビを見せてやるぞ。宿題絶対忘れるなよ!絶対だぞ!」翌日の授業はめでたくテレビで野球観戦となった。この年の日本シリーズは、ヤクルト対阪急。熱戦が続き第7戦までもつれ込み、最終戦では大杉のホームランの判定をめぐり、阪急の上田監督が激怒。全選手を引き上げ1時間19分にわたり抗議の中断。最長中断として記録に残っている。今だったら、受験を控えた数学の授業中にテレビ観戦などやったら大問題として取り上げられるに違いない。S先生はいい時代に数学の先生をやっていたのだ。

ハッピーな数学の授業が終わり、次は音楽の時間だった。音楽室に移動し担当のT先生の到着を待っていた。T先生は、30代半ば。長めのストレートヘアで、サングラスをかけ真っ赤なセリカで通勤してくる結構目立った先生だった。

少し遅れて音楽室に姿を現したT先生は、いきなりピアノの椅子に座ると、下を向き「あーーーっ」と長めのため息をついた。まるで我々生徒が存在していることを忘れたかのように、「もういや。まあいろいろあるわよね。本当にもういやっ」とつぶやき我に返った。

 「あっ、今日は教科書いらないわ。閉じて。歌いましょ。この歌、みんなも知っているわよね」と、当時ザ・ベストテンに出ていたグループの曲名を挙げた。生徒の誰かが「歌は知っているけど、歌詞はよくわかりませーん」と答えると、「じゃあ、先生が大きい声で歌うから、百分の一秒遅れで歌ってよ」と、いつも以上の気迫で押し切られた。

髪を振り乱し情感を込めイントロを弾き出した。その曲は、森田公一とトップギャランの青春時代。「卒業までの半年で 答えを出すと言うけれど 二人が暮らした歳月を なんで計ればいいのだろう」 「みんなも、もっと大きな声で歌って!」 「青春時代が夢なんて あとからほのぼの思うもの 青春時代の真ん中は 胸にとげさすことばかり」と最後のコーラスは、アンジェラ・アキ顔負けの魂がこもったシャウトであった。

歌い終わったT先生は、「この歌、いい歌なんだけど、涙が出るから困るわ。ねえ、そうでしょ。いい歌でしょ。みんなも卒業まであと半年だよね。でも、みんなはまだ若いからわからないかもね」今まで受けた中で、間違いなく一番胸に刺さる授業だった。その時T先生の人生に何が起こっていたのか、涙の意味は知る由もない。

確かにいい歌だ。歳を重ねた今だからこそ、感じることができるものがある。青春時代は、道に迷い、そして時々胸にとげが刺さることがある。もちろん、私もまだまだ青春時代を生きている。

アグネス・チャン「ひなげしの花」、天地真理「ひとりじゃないの」、岡田奈々「青春の坂道」、キャンディーズ「ハートのエースが出てこない」、桜田淳子「黄色いリボン」、菅原洋一&シルビア「アマン」、和田アキ子「あの鐘を鳴らすのはあなた」など幅広いジャンルで数々の名曲を、作曲家の森田公一は生み出している。(小島 正晴)
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